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週刊WEBマガジン岐阜人(ぎふびと)

岐阜人(ぎふびと)は、岐阜県のチャレンジし続ける中小企業経営者を紹介する週刊WEBマガジンです。

【Vol.6】手づくりチラシとオリジナル商品で大手チェーン店に打ち勝つ!~フードショップヤマニシ(中津川市)西尾真朋さん~

第6回となる『岐阜人(ぎふびと)』は、前回に続いて地域でがんばる小売店の紹介!

今回は、中津川市付知町にある「フードショップヤマニシ」さんを訪ねました。

店舗は、かつては『銀座通り』と呼ばれた旧街道沿いにあります。

フードショップヤマニシ外観

今回、お話を聞かせていただいたのは店長の西尾真朋(にしおまさとも)さん。

創業は昭和6年。ひいおじいさんの代にこの地で建具屋さんを始め、その後食料品販売も始めたところ、こっちがメインの事業になってしまったとか。

西尾真朋さん

売り場面積は30坪とコンビニよりも小さな店舗ですが、地元の高齢者の方を中心に、毎日の食材を買うためのなくてはならないお店となっています。

一番の売れ筋は、手づくりのお総菜コーナー!

例にもれず付知町内でも独り暮らしのお年寄りが増えており、一人分の調理や家庭での揚げモノが敬遠されつつある中、重宝されているようです。

お惣菜コーナー

このように地域の皆さんに支持され続けているヤマニシさんですが、やはりこの地にも大手食品スーパーやドラッグストア、コンビニが出店し、ただ店を構えているだけでは売り上げはじり貧になってしまいます。

そこで西尾さんが取り組んだのが、手づくりチラシ。

単にお買い得商品を載せるだけでなく、毎月西尾さん自身が気に入った商品をトコトン掘り下げ、1面を使ってドーンと紹介しています。

ヤマニシ手づくりチラシ

単にお買い得商品を掲載しただけでは、価格競争に陥ってしまい、大手チェーンには太刀打ちできません。

しかし、こうしたおススメ商品の記事を掲載し始めたことで、価格ではなくおススメ商品をお目当てに来店していただけるお客様が増えた、とのことです。

下のチラシでは、巷で大人気の『大地のおやつ』を紹介。西尾さん自身が惚れ込んだ商品は、メーカーに直接連絡を取り、仕入れを行っているそうです。

大地のおやつチラシ

こうしたチラシは、単に常連客のリピートを促すだけでなく、新規顧客の開拓にも貢献しています。

小さな店だと用事がない限り、「入店すること」すらためらわれます。しかしこうした手づくりチラシを見ていただくことで、今まで「お店の存在は知っていたが、ご来店いただけなかったお客様」の”入店を促すきっかけづくり”にも役に立っているようです。

またお客様から、「この前のチラシ、見たよ」、「毎月楽しみにしているよ」と声をかけられることも増えているで、モチベーションアップにもつながっているとのこと。

さらに最近、西尾さんのモチベーションを高めるできごとが!

小さなお店のバイブル誌『商業界』のチラシ・DM大賞で、昨年”奨励賞”に選出され、同誌2016年6月号に掲載されたのです!!

商業界奨励賞

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大手チェーン店との差別化のため、ヤマニシさんが取り組んでいることが、自社オリジナル商品の製造販売。付知町で昔から伝わる製法と味を受け継ぎ、一年かけてじっくりつくった「地みそ」と「地たまり」です。

オリジナル地たまり

今回特別に、店舗すぐ近くにある醸造所も見せていただきました。

中にはところ狭しと木の樽が並んでいます。

「手前味噌」という言葉がある通り、そもそも付知町でも各家庭で味噌をつくっていました。しかし次第に家庭でつくる人がいなくなり、「うちでは使わなくなったので、ヤマニシさんのところで使って」と、木樽を譲ってくれるご近所さんが多いとのことです。

みそ醸造所

まだつくり始めの段階なので、中はこんな感じ。毎朝、かき混ぜるのが日課なのだそうです。

発酵中のみそ

さらにこちらの大樽は、廃業された醸造会社から受け継いだもの。

こうしてヤマニシさんが地みそ・地たまりを作り続けることによって、これらの樽が廃棄されることなく、使い続けられるというのは素晴らしいことですね!

みそ醸造所2

そして最近では、自家製地たまり・地みそを使った「鶏ちゃん」も発売開始!

地元恵那鶏を使った商品と、歯ごたえのあるひね鶏を使った2種を展開。地元では、昔ながらの味わいであるひね鶏の方が人気だそうです。

オリジナル鶏ちゃん

こうした自社オリジナル商品、しかも昔から地元でなじみのある味を提供するということは、大手チェーン店では絶対まねのできない、この店の強みとなっています。

「今後の方針は?」と西尾さんに尋ねたところ、「人口減少が進んでいるとはいえ、まだ地元でも当店をご利用いただいていない方が多数いる。外に目を向ける前に、まずは地元商圏で、もっと利用いただけるよう努力していきたい」とのこと。

今後も、付知町に住む人たちの「食」と「食文化」を支える存在として、フードショップヤマニシさんに注目していきたいと思います!

【Vol.5】コンビニもない町で、地域の人々の暮らしを支え続ける!~リカーショップながせ(高山市)長瀬浩一さん

第5回となる『岐阜人(ぎふびと)』は、飛騨エリアまで足を延ばしました。

訪問先は高山市朝日町(旧大野郡朝日村)、訪問した日(4月28日)はちょうど桜が満開でした!

高山市朝日町の桜

今回おじゃましたのは、朝日町の小売店『リカーショップながせ』。「リカーショップ」とありますが、生活に必要な商品を一通りそろえています。

朝日町には、何とコンビニが1店もない!ということで、地域の人々にとっては日々の暮らしになくてはならないお店です。

リカーショップながせ

今回お話を聞かせていただいたのは、二代目店長の息子さんである長瀬浩一さん。

某ドラッグストア(Vのマークでおなじみ)の店長経験を経て、3年前から家業に関わるようになりました。

長瀬浩一

※写真提供:リカーショップながせ

「リカーショップながせ」が10年前から取り組んでいることが、オリジナル商品『熊の涙』。このお酒は「氷中貯蔵」という表記がある通り、氷の中で約3ヶ月貯蔵してつくられます。

熊の涙『熊の涙』の公式サイトに、「氷柱貯蔵」についての説明がこうあります。

「氷中貯蔵」は、岐阜県高山市朝日町胡桃島の秋神温泉にある「氷点下の森」で行われます。この地は、飛騨高山の冬の風物詩として、毎年冬期には多くの観光客が訪れます。
 貯蔵樽ごと凍らせてお酒を冬眠させる「氷中貯蔵法」は、極寒で豊富な山水が利用できる環境でなければできません。冬はマイナス10度を下回ることが多い「氷点下の森」だからこそできる日本で唯一の貯蔵方法から生まれたお酒。他では真似できない商品価値があります。

タンクには2,000本の『熊の涙』が投入されます。逆に言うと、毎年マックスで2,000本しか入手できないレアなお酒、と言えます。

氷中貯蔵 熊の涙

※写真提供:リカーショップながせ

店内には、今後のインバウンド需要を見込み、英語や中国語のリーフレットも用意されていました。熊の涙パンフ

今のところ1タンク、すなわち2,000本の限定販売という状況とですが、長瀬さんが広告宣伝や営業活動に取組んだことで、ここ数年は完売が続いています。

増産するとなると、倍の4,000本を仕込む必要がある訳で、長瀬さんとしてはどのタイミングで増産に踏み切るか検討中とのこと。

今後も好評が続くことで、早く増産に踏み切れるといいですね!

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さらに長瀬さんが昨年から取り組みを始めたのが、食品や生活用品の移動販売。

とくし丸

※写真提供:リカーショップながせ

例にもれず高山市朝日村も高齢化が進行しており、いわゆる”買い物弱者”が増加しつつあります。

そこで長瀬さんは、移動販売のビジネスモデルをつくりあげた「とくし丸」に掛け合い、高山市内のスーパーと連携することで、昨年6月より移動販売サービスの実現にこぎつけたのです。

(参考)

www.tokushimaru.jp

下の写真は、「とくし丸」出発式の様子。

現時点では毎週水曜日に要望のあるご家庭を巡回し、玄関の前で買い物をしていただいているそうです。

とくし丸 出発式

 ※写真提供:リカーショップながせ

現在、高山市朝日村の人口は約1,800人。今後も人口減少は避けられません。

そのような経営環境の中、単にお店を構えて営業しているだけでは、「地域の暮らしをさせ続けるお店」として存在し続けられません。

縮小する市場の中で、いかに経営体として存続し続け、社会的使命(=地域の人々の暮らしを支える)を果たしていくか?

「リカーショップながせ」における長瀬さんの取り組みは、その一つの解を示しているといえるでしょう。すなわち、

1.オリジナル商品を開発・販売することで地域外の需要を取り込む。

2.お店に来られない高齢者の方に、こちらから赴く。

現在長瀬さんは、さらに新たなプロジェクトを企画・準備中とのこと。

今後も長瀬さんのチャレンジに要注目です!

↓リカーショップながせ(氷柱貯蔵「熊の涙」)の公式サイトはこちら

www.hida-kumanonamida.com

↓企画準備中のサイトはこちら

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【Vol.4】人生の節目を「熟成古酒」とともに歩んでほしい! ~合資会社白木恒助商店 白木滋里さん~

第四回となる「岐阜人(ぎふびと)」の紹介は、日本酒の蔵元から。

今回は、「達磨正宗」のブランド名で有名な合資会社白木恒助商店を訪問。

直売店の壁には、トレードマークの達磨が掲げられています。

白木恒助商店 直売店

白木恒助商店の看板商品は、こちらの熟成古酒!

熟成古酒 達磨正宗

昭和40年代、第六代当主の白木善次(しらきよしじ)さんが、「これからの時代、零細日本酒メーカーは特徴のある酒をつくならければ生き残っていけない!」との思いから、熟成古酒づくりを始めたとのこと。

経営的には「酒をつくっても売らない」という状況が続いたので、いかに大変だったかはとても想像がつきません。

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今回、お話をきかせていただいたのは、白木善次さんの次女で七代目当主の白木滋里(しらきしげり)さん。先代が開発した熟成古酒を活かし、新たな商品開発や販路拡大に取り組んでおられます。

ちなみに訪問日(4月19日)の翌日から、香港&深圳と出張予定だったとのこと。

お忙しい中、ありがとうございました!

七代目当主 白木滋里さん

直売店内には、白木家にあったレトロな家具やグッズがところ狭しと置かれています。

昭和時代に生まれ育った人にとっては、「懐かし~」と感じるものばかり!

直売店内風景

壁に掲げられている税務署の通達書を見ると、ここ(岐阜市門屋門)はかつて「山縣郡山縣村」の行政区であったことがわかります。

直営店風景2

工場内もご案内いただきました。中では、滋里さんの旦那さんで杜氏の白木寿(しらきひとし)さんにもご挨拶できました。

酒造りの一番忙しい時期を乗り切り、ほっとした表情にみえます。

杜氏 白木寿さん

工場内には、タンクで保管された熟成古酒の数々!

その年にあった出来事も紹介してあるので、当時のことが思い出されて興味深いです。

熟成古酒1

こちらは、一番古い昭和47年もの!

私が生まれる前年のことなのでリアルには知りませんが、ちあきなおみの「喝采」はよく知っています。

熟成古酒タンク2

外のコンテナには、瓶詰めされた熟成古酒が保管されています。

熟成古酒コンテナ

中に保管されている熟成古酒を見せていただきました。

「昭和五十四年醸造酒」のラベルが、年期を帯びています。

コンテナ内熟成古酒

滋里さんは、単に先代が開発した熟成古酒を売り回るだけでなく、熟成古酒を活用した同社ならではの商品開発にも、積極的に取り組んでいます。

その代表的商品が、ロングセラー商品に育った「アイスクリームにかけるお酒」。

このお酒をアイスクリームにかけると、100円アイスクリームが高級アイスクリームに早変わり!

アイスクリームにかけるお酒

開発当時、こうした新しい取り組みは必ずしも皆に受け入れられたわけでなく、同業者の中には、「日本酒の蔵元がこんな商品を作るなんて!」と批判されたこともあったそうです。

こちらの商品「未来へ」は、「赤ちゃんが生まれたタイミングでその年のお酒を瓶詰めし、そのお子さんが二十歳になったタイミングで飲んでもらおう」、というコンセプト。

熟成古酒 未来へ

滋里さんは、単に味や色合いといった違いだけでなく、「熟成古酒」という特徴を活かし、「人生の節目を熟成古酒と共に歩んでほしい」との思いを込め、様々な新商品を提案されています。

最近の開発商品はこちら、厄払いお神酒「躍年(やくどし)」。

40年超にわたる熟成古酒を持っている強みを活かし、厄年を迎える男女に対して「自分の生まれた年のお酒をお守りに」というコンセプトで開発された商品とのこと。

熟成古酒 躍年(やくどし)

お酒以外も岐阜県産にこだわり、外箱は東濃檜を用い、容器は美濃焼、紙類は美濃和紙を利用しています。

他社にない「オンリーワン」商品やブランドを持っている企業は日本全国に多々あります。しかし、そうした「オンリーワン」商品やブランドに胡坐(あぐら)をかいていては、今の世の中「安泰」はあり得ません。

今後も、「熟成古酒」という他社にない独自商品を活かしながら、どんな新商品・新企画が生み出されるのか楽しみですね!

↓合資会社白木恒助商店 公式サイトはこちら!www.daruma-masamune.co.jp

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