週刊WEBマガジン岐阜人(ぎふびと)

岐阜人(ぎふびと)は、岐阜県のチャレンジし続ける中小企業経営者を紹介する週刊WEBマガジンです。

【Vol.11】ひのき畳ベッドやユニット畳を通じて”ひのきライフ”を提供したい!~飛騨フォレスト株式会社(下呂市)今井康徳さん~

第11回となる『岐阜人(ぎふびと)』は、”ひのきチップ”を活用した畳のベッドや家具を製造販売する、飛騨フォレスト株式会社の今井康徳(いまいやすのり)さん。

飛騨フォレスト今井康徳さん

同社の製造する畳には、畳床の素材として檜(ひのき)のチップが用いられています。

檜チップを用いた「ひのき畳」は、今井さんのお父さんにあたる先代社長が「地元で生産される東濃檜の間伐材をどうにか活用できないか」と考え、苦労の末に開発に成功した同社独自の製品です。

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しかし畳の需要がどんどんと減少していく中、割高な「ひのき畳」は思うように売れません。先代社長が「ひのき畳」の販売に苦労している中、オーダー家具メーカー勤務を経て帰ってきた今井さんが、家具製造の経験を活かして「畳ベッド」を開発。

これが畳のない居住空間に住む都心部の人たちのニーズにピタッとはまり、インターネット通販を中心に売上を伸ばして行きます。

同社工場の奥には、ショールームが整備されていました。こちらでは、畳ベッドやユニット畳など、様々な「畳家具」を実際に見ることができます。

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製造現場も見せていただきました。お客様の要望に応じ、サイズはもちろんのこと、形状や機能など細かな要望に対応しています。

製造現場

こちらは畳ベットの下に3つの空間を設け、3名分の収納場所を確保!

納品先を聞かせていただいたところ、とある消防署からの注文とのこと。

オーダーメイド製造

同社のブログからは、納入先現場の画像を多数見ることが可能です。

下の画像のように、入り組んだ形状であっても対応していただけます!

現場設置例

写真提供:飛騨フォレスト株式会社

多くのお客様は、ベッドなどの家具を注文する際には、やはり実物を確認したいもの!

そこで同社では、数年前から東京や神戸など都心部で一般顧客向けの展示会を開催しています。

今までネット上だけでは購入を躊躇していたお客様の多くが、展示会で実物を見ることで、また実際につくり手と会って話をすることで、安心して購入していただいているとのこと。

さらに、これら展示会で好評であったことが展示会会場の方の目にとまることとなり、今では東京(新宿OZONE)と神戸の芦屋での常設展示が実現しています。

新宿OZONE

写真提供:飛騨フォレスト株式会社

最近今井さんが力を入れていることは、「もっとヒノキなど木材を身近に感じてもらいたい」、という思いから始まったワークショップの開催です。

首都圏での展示・相談会の開催に合わせ、木製スツールをつくるワークショップも同時開催。3日間の展示会期間のうち、2日目で予定人数に達してしまったほど人気だったそうです。

ワークショップ

写真提供:飛騨フォレスト株式会社

今後も、「ひのき畳」を使った家具の製造販売に加え、「ひのきの香りに包まれた健康生活」の提供に向け、様々な取り組みを企画しているということで、楽しみにしたいですね!

 ↓飛騨フォレスト株式会社の公式サイトはこちら!

www.hida-f.co.jp

 

【Vol.10】オーダーメイドタイルを通じてタイルを身近に感じてもらいたい!~合同会社プロトビ(瑞浪市)玉川幸枝さん~

第10回目となる『岐阜人(ぎふびと)』は、陶磁器のまち瑞浪市から!

今回紹介するのは、オーダーメイドタイルの企画販売等を手掛ける合同会社プロトビの玉川幸枝(たまがわゆきえ)さんです。

玉川幸枝

彼女の実家は陶磁器製品の”うわぐすり”である釉薬メーカー、株式会社玉川釉薬(たまがわゆうやく)。同社は平成3年の設立以来、地元のタイルメーカー向け釉薬を日々開発・製造しています。

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事務所内には、様々な釉薬で彩られたタイルがありました。

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今回は特別に、釉薬がつくられる過程を玉川さんに案内していただきました。

玉川釉薬

釉薬の原料は大きく分けて二つ。一つは釉薬の色を決定づける顔料です。

工場内には、様々な色の顔料が並べられていました。

釉薬顔料

これらの顔料を調合することによって、様々な色がつくられます。その組み合わせはまさに無限!

顔料計量

もう一つは鉱物。ネットで調べたところ、「釉薬は長石、石灰、珪石、灰類、酸化銅や酸化鉄等を調合してできていて、ドロっとした液体」になるとのこと。

顔料に加え鉱物も、色や風合いを決定づける重要な要素となります。

鉱物

量産向け釉薬の調合工程も見せていただきました。ご覧のように、大きなタンクをグルグルと回転させることで、釉薬がつくられます。

釉薬製造

タンクに詰められた釉薬が、ところ狭しと敷地に並べられています。

大きいタンクには、なんと600リットルも釉薬が入っています!

釉薬タンク

玉川さんは大学中退後、実家に戻って6年間勤務していましたが、「ビジネスや組織の仕組みづくりを学びたい」と思い立ち、世界一周旅行や名古屋でのNGOの活動、さらには東京のNPO法人等で、様々な経験を積んで行きます。

それからさらに6年が経過、今こうして地元に戻って来た理由を尋ねると、「外の世界で様々な人と出会うことが、自分自身のルーツを見つめ直すきっかけになった。これまでの経験の中で培った企画力や様々な人のネットワークを、自分の生まれ育った地場のタイル産業のために役立てられないか」と、考えるに至ったとのこと。

その結果、2016年からは東京と瑞浪市の二拠点での活動を始め、ついに今年5月末からは完全に、瑞浪市を拠点とした生活を始めることとなったのです。

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玉川さんが設立し、代表を務める「合同会社プロトビ」で今年1月から始めた事業が、オーダーメイドタイルの開発・製造。新たに「TILE made(タイルメイド)」ブランドを立ち上げ、施工実績を積み上げています。

 こちらはセミオーダーによる青色むらタイルを施したキッチン。よく見ると、右下のあたりにオリジナルのロゴが見えます。

施工事例 写真提供:合同会社プロトビ

こちらのタイルは、商業施設の女子トイレに施されたリボンタイル。

ちょうど頭の高さのところにリボンがあり、「自撮り」するのに最適なデザインしたとのこと!

リボンタイル

写真提供:合同会社プロトビ

玉川さんの活動の根幹には、「生まれ育った地元のタイル産業で受け継がれてきた、様々な技術が途絶えないようにしたい」、「そのためには、タイルをもっと身近に感じてもらいたい」という強い思いがあることを、今回お話を聞いて改めて感じました。

 玉川さんの活動領域は、単にタイルを企画・製造するだけではありません。地元瑞浪市と連携し、「焼き物産地プロモーション委員会」のメンバーとして『瑞浪オープンファクトリー』イベントの企画・運営にも携わっています。

瑞浪オープンファクトリー

2016年の『瑞浪オープンファクトリー』パンフレットも見せていただきました。こちらは「女子旅」をイメージしたつくりとなっており、玉川さんの提案が活かされています。

改めて玉川さんの足跡をたどると、一度は実家の家業を手伝いながら、外の世界に飛び出し、また地元に帰って来たわけですが、単に「地元に舞い戻ってきた」というだけではありません。

一つは、外の世界に触れることで、改めて「自分自身のルーツ」をしっかり見つめ直すこととなり、迷うことなく確信を持って今の仕事に取組んでおられます。また、東京など外の世界に触れることで最先端の感性に触れるとともに、様々な業界の人々とのつながりが、地元に戻っての事業展開に活かされていると感じました。

これからも、タイルを「より身近」に感じていただき、産地の技術を次世代につなげるためにも、玉川さんの活動に注目したいと思います!

↓合同会社プロトビの公式サイトはこちら

www.protob.com

【Vol.9】”岐阜”にこだわる菓子づくりで100年企業を目指す!~株式会社長良園(岐阜市)市川嘉宏さん~

第9回となる『岐阜人(ぎふびと)』は、岐阜を代表する清流”長良川”を社名に冠した株式会社長良園の代表取締役、市川嘉宏(いちかわよしひろ)さん。

取材当時(2017年5月15日)、市川さんは38歳。(株)長良園の社長に就任した時点では、まだ30歳余りという若さだったとのこと!

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(株)長良園の創業は、今から64年前の昭和28年(1953年)。大阪での丁稚奉公を終えた創業者 市川都一氏が故郷で創業を決意したとき、地元の長良川鵜飼いを見て感動したことがきっかけで、『長良園』という名前をつけられたそうです。

それから50年余り。市川さんが社長に就任された当時、社内で製造する菓子の大半がOEM製品(委託製造品)で、地元に対する意識も希薄でした。

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そうした問題意識を持ったとき、市川さんが拠りどころにしたのが、自社の経営理念です。

長良園経営理念

「”長良園”という企業名を冠している以上、地域に根ざした企業活動を行わねば!」

そう考えた市川さんが、岐阜商工会議所のプロジェクトに参加し開発した商品が、岐阜県産イチゴ「濃姫」を活用した『信長の赤』です。

ご存知の通り岐阜県産いちごの「濃姫」は、斎藤道三の娘として岐阜に産まれ、信長に嫁いだ濃姫にちなんだブランド。この「濃姫」をふんだんに使い、甘酸っぱさと濃い赤色を閉じ込めて『信長の赤』は完成しました。

『信長の赤』は今や、同社の代表的商品であるのみならず、岐阜市を代表するお土産品にまで成長しています。

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最近では『信長の赤』に続き、『信長の翠(みどり)』も登場!こちらは「美濃いび茶」が使用されています。

そして、創業以来の銘菓で皇室にも献上されたという『鵜飼せんべい』もリニューアル!こちらは昔ながらの製法を守りつつも、原材料は岐阜県産にこだわり、岐阜県産たまごと小麦を使用し、新たな商品に生まれ変わりました。

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市川さんの取り組みは、新商品開発にとどまりません。

社内的には「適正な価格でお菓子を提供し続けられる」よう、作業改善など原価低減活動に取り組むとともに、社外的には地域のお客様との接点を持つため、直営店を積極的に展開しています。

その第一弾が、工場に隣接している直営ショップ『NAGARAEN Factory Shop』。 

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この日の店頭には、商品企画と店舗運営の主任を務めている齋藤啓子(さいとうけいこ)さんがおみえになったので、色々と話を聞かせていただきました。

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店内にもある菓子『なごみ鮎』は、彼女が中心になって開発した商品だとか。

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こちらの商品『I'ts Mine』は、お客様が指定した絵柄を最大4色までプリントできる企画商品。ロゴやイラスト、さらには写真までプリントできるということで、会社の周年記念品やウェディングの引き出物などに利用できそうです。

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『NAGARAEN Factory Shop』に続いて昨年には、羽島市にカフェを併設した直営店『ミノノヤ』をオープン!

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店内は、ゆったりとした空間の中に同社の商品が販売されており、奥にはカフェが併設されています。

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訪問日(5月15日)の翌日には、某タレントさんが同店を訪問・取材が予定されていたとのことで、もしかしたらテレビでご覧になった方もいるかもしれません。

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市川さんに今後の目標を聞いたところ、「今年で弊社は創業65年、あと35年で創業100年となる。自社が”100年企業”の仲間入りができるよう、しっかりとした経営基盤をつくりあげていきたい!」と強く語られました。

岐阜の地で創業し、地域とともに成長を目指す企業のトップとして、今後の市川さんのさらなるチャレンジに期待いたします!

↓株式会社長良園の公式サイトはこちら!

nagaraen.com

 

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