週刊WEBマガジン岐阜人(ぎふびと)

岐阜人(ぎふびと)は、岐阜県のチャレンジし続ける中小企業経営者を紹介する週刊WEBマガジンです。

【Vol.9】”岐阜”にこだわる菓子づくりで100年企業を目指す!~株式会社長良園(岐阜市)市川嘉宏さん~

第9回となる『岐阜人(ぎふびと)』は、岐阜を代表する清流”長良川”を社名に冠した株式会社長良園の代表取締役、市川嘉宏(いちかわよしひろ)さん。

取材当時(2017年5月15日)、市川さんは38歳。(株)長良園の社長に就任した時点では、まだ30歳余りという若さだったとのこと!

f:id:kuon-manage:20170531230712j:plain

(株)長良園の創業は、今から64年前の昭和28年(1953年)。大阪での丁稚奉公を終えた創業者 市川都一氏が故郷で創業を決意したとき、地元の長良川鵜飼いを見て感動したことがきっかけで、『長良園』という名前をつけられたそうです。

それから50年余り。市川さんが社長に就任された当時、社内で製造する菓子の大半がOEM製品(委託製造品)で、地元に対する意識も希薄でした。

スポンサードリンク

 

そうした問題意識を持ったとき、市川さんが拠りどころにしたのが、自社の経営理念です。

長良園経営理念

「”長良園”という企業名を冠している以上、地域に根ざした企業活動を行わねば!」

そう考えた市川さんが、岐阜商工会議所のプロジェクトに参加し開発した商品が、岐阜県産イチゴ「濃姫」を活用した『信長の赤』です。

ご存知の通り岐阜県産いちごの「濃姫」は、斎藤道三の娘として岐阜に産まれ、信長に嫁いだ濃姫にちなんだブランド。この「濃姫」をふんだんに使い、甘酸っぱさと濃い赤色を閉じ込めて『信長の赤』は完成しました。

『信長の赤』は今や、同社の代表的商品であるのみならず、岐阜市を代表するお土産品にまで成長しています。

f:id:kuon-manage:20170531230720j:plain

最近では『信長の赤』に続き、『信長の翠(みどり)』も登場!こちらは「美濃いび茶」が使用されています。

そして、創業以来の銘菓で皇室にも献上されたという『鵜飼せんべい』もリニューアル!こちらは昔ながらの製法を守りつつも、原材料は岐阜県産にこだわり、岐阜県産たまごと小麦を使用し、新たな商品に生まれ変わりました。

f:id:kuon-manage:20170531230713j:plain

市川さんの取り組みは、新商品開発にとどまりません。

社内的には「適正な価格でお菓子を提供し続けられる」よう、作業改善など原価低減活動に取り組むとともに、社外的には地域のお客様との接点を持つため、直営店を積極的に展開しています。

その第一弾が、工場に隣接している直営ショップ『NAGARAEN Factory Shop』。 

f:id:kuon-manage:20170604161518j:plain

この日の店頭には、商品企画と店舗運営の主任を務めている齋藤啓子(さいとうけいこ)さんがおみえになったので、色々と話を聞かせていただきました。

f:id:kuon-manage:20170531230715j:plain

店内にもある菓子『なごみ鮎』は、彼女が中心になって開発した商品だとか。

f:id:kuon-manage:20170531230716j:plain

こちらの商品『I'ts Mine』は、お客様が指定した絵柄を最大4色までプリントできる企画商品。ロゴやイラスト、さらには写真までプリントできるということで、会社の周年記念品やウェディングの引き出物などに利用できそうです。

f:id:kuon-manage:20170531230718j:plain

『NAGARAEN Factory Shop』に続いて昨年には、羽島市にカフェを併設した直営店『ミノノヤ』をオープン!

f:id:kuon-manage:20170531230722j:plain

店内は、ゆったりとした空間の中に同社の商品が販売されており、奥にはカフェが併設されています。

f:id:kuon-manage:20170531230721j:plain

訪問日(5月15日)の翌日には、某タレントさんが同店を訪問・取材が予定されていたとのことで、もしかしたらテレビでご覧になった方もいるかもしれません。

f:id:kuon-manage:20170531230719j:plain

市川さんに今後の目標を聞いたところ、「今年で弊社は創業65年、あと35年で創業100年となる。自社が”100年企業”の仲間入りができるよう、しっかりとした経営基盤をつくりあげていきたい!」と強く語られました。

岐阜の地で創業し、地域とともに成長を目指す企業のトップとして、今後の市川さんのさらなるチャレンジに期待いたします!

↓株式会社長良園の公式サイトはこちら!

nagaraen.com

 

【Vol.8】柿渋文化を伝えて『伊自良大実柿』をブランド化!~柿ZANMAI(山県市)金子悟さん~

第8回となる『岐阜人(ぎふびと)』は、このサイトで初めて「県外からの移住」して起業をした若者を紹介!

舞台は、山県市伊自良地区。伊自良地区は、飛騨・美濃伝統野菜の一つである渋柿『伊自良大実柿(いじらおおみがき)』の唯一の産地です。

この地にて今年3月、『柿ZANMAI(かきざんまい)』という屋号を掲げ、柿渋染め商品の製造販売等の事業で起業したのが、今回紹介する金子悟(かねこさとる)さんです。

柿ZAIMAI

彼が、金子悟さん。

訪問した日(5月11日)は、二人目のお子さんが産まれて間もないタイミングでした。公私ともにお忙しい中、お時間をいただきありがとうございます!

金子さんはちょうど3年前、「地域おこし協力隊」として山県市伊自良地区に赴任。任期満了を経て、このたび山県市で起業するに至りました。

金子悟さん

ちなみに金子さんの出身は神奈川県横浜市。

大手アパレルチェーンに勤務するかたわら、藍染めや柿渋染めに深い関心を持ち、「大量生産品でなく、作り手の見えるものづくりに携わりたい」という思いを強く持つ中、地域おこし協力隊の存在を知りました。

スポンサードリンク

 

「数ある地域の中から、なぜ山県市に来てみようと思ったの?」と聞いたところ、「柿渋染めにかかわる仕事ができないか?」と考えていた折、「途絶えてしまった伊自良の柿渋の伝統復活を、地域とともに手掛ける地域おこし協力隊員を募集していたのが山県市だったから」とのこと。

柿ZANMAI店内

『柿ZANMAI』は「伊自良大実柿の衣食住」をコンセプトに、店内では各種柿渋染の製品を展示・販売しています。

柿渋製品

柿渋染めの魅力を聞いたところ、「柿渋染は単に茶褐色に染めるだけでなく、黒、黄にも染めることが出来る。また、染め重ねると布に膜をはっていき革のようになり、使っていくうちに色が馴染んで味わい深くなる点も魅力的。消臭・抗菌の効果もあるんです。」と、金子さんは語りました。

柿渋製品2

加えて、「柿渋」の原液も販売していました!柿渋は塗料としても利用可能で、撥水・防腐効果があることから、DIY(Do It Yourself)での利用が期待できます。

柿渋の原液

現場では、糸の段階で染色を行う「トップ染め」の糸、「連柿渋ネップヤーン」も見せていただきました。こちらの糸を活用しての商品開発も、現在進めているとのことです。

柿渋の糸

移住者が地域に根づいて事業を興すには、地元の人の理解と協力が欠かせません。

金子さんは幸いにも、地元のキーマンや集落支援員の先輩の応援が得られ、3年間の協力隊としての活動、さらには今回の起業へとつなげることができました。

ちょうどこの日、伊自良大実連合会の代表 佐野敬二(さのけいじ)さんが農作業を終えられ、お店に立ち寄っていただきました。こちらの表情からも、県外から移住してきた若者の挑戦を、暖かく見守っていただけていることがうかがえます。

自治会長さん

※伊自良大実連合会とは、伊自良大実柿の栽培管理をする地域団体のこと。

『柿ZANMAI』もう一人の運営のキーマンが、同店店長の加藤慶(かとうけい)さん(写真左)。加藤さんは金子さんに続いて、昨年から「地域おこし協力隊」として山県市に着任し、現在こちらの店舗運営に携わっています。また、二人とも伊自良大実連合会に所属しています。

加藤慶&金子悟

『柿ZANMAI』は単に柿渋染め製品の製造販売だけでなく、「柿渋染め」を体験するイベントも積極的に企画、開催しています。5月には、「母の日の贈り物」と題して、ストール柿渋染め体験が実施されました。

柿渋染め体験ビラ

かつて山県市伊自良地区で盛んだった柿渋文化は、化学塗料などの普及によっていったん途絶えてしまいました。

今回、地域団体とともに行った金子さんの取り組みによって約半世紀ぶりに柿渋の生産が復活!高度経済成長から時代は変わり、「作り手の見える製品」や「体験」の価値が見直されつつあります。

今後も、新たな柿渋染め製品の提案や体験・イベントを通じて、山県市伊自良地区の「柿渋文化」が広まり、「伊自良大実柿」のブランド化が促進されることを、大いに期待したいと思います!

↓『柿ZANMAI』の公式サイトはこちら!

柿ZANMAI |

【Vol.7】麺のおいしさを世界中に届ける!~小林生麺株式会社(岐阜市)小林俊夫さん~

第7回となる『岐阜人(ぎふびと)』は、名鉄岐阜駅から徒歩10分にある食品メーカーを紹介。『元気とおいしさの発信』をスローガンにかかげる小林生麺株式会社です。

小林生麺 工場

今回お話を聞かせていただいたのは、代表取締役の小林俊夫さん。

同社のスローガンにあるように、70歳になる現在でも”元気”にあふれています。

代表取締役会長 小林俊夫

小林生麺(株)は小林俊夫さんが誕生された昭和22年12月に創業、会社としても今年(2017年)に70年の節目を迎えられます。

創業当初は、まちのラーメン店・中華料理屋向けの生麺製造からスタート。その後スーパーマーケットが店舗を増やしていく中で、45年ほど前には量販店向けパッケージ商品を開発、製造販売を開始します。

小林生麺 麺製造

今でもこれら中華麺の製造が主力事業。工場では、毎日3ラインで様々な販売先向けの生麺がつくられています。

小林生麺 生麺

さらに30年前には、業界に先駆けて生パスタを開発!まだ、「イタ飯(死語?)」が流行り出すはるか前から、時代を先取りした商品開発に取り組まれてきました。

スポンサードリンク

 

近年の同社の看板商品といえば、何といっても米粉麺!

開発を始めたのは、今から13~14年程前のこと。改めてその経緯を聞いてみたところ、「小麦アレルギーのため麺が食べることができない」という知り合いのため、開発に取り組んだとのこと。

その後、国を挙げて「米粉利用促進」に取り組まれた時期がありましたが、補助金施策が途切れたところで、競合のほとんどは軒並み市場撤退。今や米粉麺をつくるメーカーも、全国で数えるほどとになったそうです。

一方、小林さんはその後も米粉麺の製品開発を続け、今では米粉ラーメン、うどんに加え、米粉の生パスタもラインナップされています。

グルテンフリーヌードル

こちらは同社の米粉麺専用工場。

ハード面でも小麦とのコンタミ(混入)の心配がない、体制をつくりあげています。

米粉麺専用工場

同社HPによると、アレルギー物質の含有量は100万分の0.1~3.1と、厚生労働省がさだめる「ノンアレルギー」基準を下回っていますが、完全にゼロではない点にご注意ください。

さらに2010年には米粉麺の海外市場開拓も開始!

とくにアメリカ合衆国では、「グルテンフリー食品」の市場が急拡大。同社米粉麺もその流れに乗り、着実に売上を伸ばしています。

グルテンフリー認証

最近では、世界市場の様々な食文化に対応するため、世界で最も権威のあるグルテンフリー認証機関『GFCO』からの認証や、イスラム圏の市場拡大(インバウンド含む)のためにハラール証明書を取得されています。

ハラル認証

麺は、日本人のみならず世界中の人々が楽しむ代表的な食品です。

「もちろん安心・安全は重要だが、食品である以上は”美味しい”が基本!」

「今後も、当社からおいしさと元気を発信し続けていきたい」と小林さんは語ります。

小林俊夫会長とひろのり社長

 昨年夏には、長男の小林宏規(こばやしひろのり)さんが、本格的に経営参画。

経営のバトンタッチを着々と進めることで、今後ますます同社のつくる”おいしい麺”が世界中の広まることを期待したいと思います!

↓小林生麺株式会社の公式サイトはこちら!

www.kobayashiseimen.jp

Copyright © Gifu-bito All Rights Reserved