週刊WEBマガジン岐阜人(ぎふびと)

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【Vol.8】柿渋文化を伝えて『伊自良大実柿』をブランド化!~柿ZANMAI(山県市)金子悟さん~

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第8回となる『岐阜人(ぎふびと)』は、このサイトで初めて「県外からの移住」して起業をした若者を紹介!

舞台は、山県市伊自良地区。伊自良地区は、飛騨・美濃伝統野菜の一つである渋柿『伊自良大実柿(いじらおおみがき)』の唯一の産地です。

この地にて今年3月、『柿ZANMAI(かきざんまい)』という屋号を掲げ、柿渋染め商品の製造販売等の事業で起業したのが、今回紹介する金子悟(かねこさとる)さんです。

柿ZAIMAI

彼が、金子悟さん。

訪問した日(5月11日)は、二人目のお子さんが産まれて間もないタイミングでした。公私ともにお忙しい中、お時間をいただきありがとうございます!

金子さんはちょうど3年前、「地域おこし協力隊」として山県市伊自良地区に赴任。任期満了を経て、このたび山県市で起業するに至りました。

金子悟さん

ちなみに金子さんの出身は神奈川県横浜市。

大手アパレルチェーンに勤務するかたわら、藍染めや柿渋染めに深い関心を持ち、「大量生産品でなく、作り手の見えるものづくりに携わりたい」という思いを強く持つ中、地域おこし協力隊の存在を知りました。

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「数ある地域の中から、なぜ山県市に来てみようと思ったの?」と聞いたところ、「柿渋染めにかかわる仕事ができないか?」と考えていた折、「途絶えてしまった伊自良の柿渋の伝統復活を、地域とともに手掛ける地域おこし協力隊員を募集していたのが山県市だったから」とのこと。

柿ZANMAI店内

『柿ZANMAI』は「伊自良大実柿の衣食住」をコンセプトに、店内では各種柿渋染の製品を展示・販売しています。

柿渋製品

柿渋染めの魅力を聞いたところ、「柿渋染は単に茶褐色に染めるだけでなく、黒、黄にも染めることが出来る。また、染め重ねると布に膜をはっていき革のようになり、使っていくうちに色が馴染んで味わい深くなる点も魅力的。消臭・抗菌の効果もあるんです。」と、金子さんは語りました。

柿渋製品2

加えて、「柿渋」の原液も販売していました!柿渋は塗料としても利用可能で、撥水・防腐効果があることから、DIY(Do It Yourself)での利用が期待できます。

柿渋の原液

現場では、糸の段階で染色を行う「トップ染め」の糸、「連柿渋ネップヤーン」も見せていただきました。こちらの糸を活用しての商品開発も、現在進めているとのことです。

柿渋の糸

移住者が地域に根づいて事業を興すには、地元の人の理解と協力が欠かせません。

金子さんは幸いにも、地元のキーマンや集落支援員の先輩の応援が得られ、3年間の協力隊としての活動、さらには今回の起業へとつなげることができました。

ちょうどこの日、伊自良大実連合会の代表 佐野敬二(さのけいじ)さんが農作業を終えられ、お店に立ち寄っていただきました。こちらの表情からも、県外から移住してきた若者の挑戦を、暖かく見守っていただけていることがうかがえます。

自治会長さん

※伊自良大実連合会とは、伊自良大実柿の栽培管理をする地域団体のこと。

『柿ZANMAI』もう一人の運営のキーマンが、同店店長の加藤慶(かとうけい)さん(写真左)。加藤さんは金子さんに続いて、昨年から「地域おこし協力隊」として山県市に着任し、現在こちらの店舗運営に携わっています。また、二人とも伊自良大実連合会に所属しています。

加藤慶&金子悟

『柿ZANMAI』は単に柿渋染め製品の製造販売だけでなく、「柿渋染め」を体験するイベントも積極的に企画、開催しています。5月には、「母の日の贈り物」と題して、ストール柿渋染め体験が実施されました。

柿渋染め体験ビラ

かつて山県市伊自良地区で盛んだった柿渋文化は、化学塗料などの普及によっていったん途絶えてしまいました。

今回、地域団体とともに行った金子さんの取り組みによって約半世紀ぶりに柿渋の生産が復活!高度経済成長から時代は変わり、「作り手の見える製品」や「体験」の価値が見直されつつあります。

今後も、新たな柿渋染め製品の提案や体験・イベントを通じて、山県市伊自良地区の「柿渋文化」が広まり、「伊自良大実柿」のブランド化が促進されることを、大いに期待したいと思います!

↓『柿ZANMAI』の公式サイトはこちら!

柿ZANMAI |

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