第9回となる『岐阜人(ぎふびと)』は、岐阜を代表する清流”長良川”を社名に冠した株式会社長良園の代表取締役、市川嘉宏(いちかわよしひろ)さん。
取材当時(2017年5月15日)、市川さんは38歳。(株)長良園の社長に就任した時点では、まだ30歳余りという若さだったとのこと!
(株)長良園の創業は、今から64年前の昭和28年(1953年)。大阪での丁稚奉公を終えた創業者 市川都一氏が故郷で創業を決意したとき、地元の長良川鵜飼いを見て感動したことがきっかけで、『長良園』という名前をつけられたそうです。
それから50年余り。市川さんが社長に就任された当時、社内で製造する菓子の大半がOEM製品(委託製造品)で、地元に対する意識も希薄でした。
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そうした問題意識を持ったとき、市川さんが拠りどころにしたのが、自社の経営理念です。
「”長良園”という企業名を冠している以上、地域に根ざした企業活動を行わねば!」
そう考えた市川さんが、岐阜商工会議所のプロジェクトに参加し開発した商品が、岐阜県産イチゴ「濃姫」を活用した『信長の赤』です。
ご存知の通り岐阜県産いちごの「濃姫」は、斎藤道三の娘として岐阜に産まれ、信長に嫁いだ濃姫にちなんだブランド。この「濃姫」をふんだんに使い、甘酸っぱさと濃い赤色を閉じ込めて『信長の赤』は完成しました。
『信長の赤』は今や、同社の代表的商品であるのみならず、岐阜市を代表するお土産品にまで成長しています。
最近では『信長の赤』に続き、『信長の翠(みどり)』も登場!こちらは「美濃いび茶」が使用されています。
そして、創業以来の銘菓で皇室にも献上されたという『鵜飼せんべい』もリニューアル!こちらは昔ながらの製法を守りつつも、原材料は岐阜県産にこだわり、岐阜県産たまごと小麦を使用し、新たな商品に生まれ変わりました。
市川さんの取り組みは、新商品開発にとどまりません。
社内的には「適正な価格でお菓子を提供し続けられる」よう、作業改善など原価低減活動に取り組むとともに、社外的には地域のお客様との接点を持つため、直営店を積極的に展開しています。
その第一弾が、工場に隣接している直営ショップ『NAGARAEN Factory Shop』。
この日の店頭には、商品企画と店舗運営の主任を務めている齋藤啓子(さいとうけいこ)さんがおみえになったので、色々と話を聞かせていただきました。
店内にもある菓子『なごみ鮎』は、彼女が中心になって開発した商品だとか。
こちらの商品『I'ts Mine』は、お客様が指定した絵柄を最大4色までプリントできる企画商品。ロゴやイラスト、さらには写真までプリントできるということで、会社の周年記念品やウェディングの引き出物などに利用できそうです。
『NAGARAEN Factory Shop』に続いて昨年には、羽島市にカフェを併設した直営店『ミノノヤ』をオープン!
店内は、ゆったりとした空間の中に同社の商品が販売されており、奥にはカフェが併設されています。
訪問日(5月15日)の翌日には、某タレントさんが同店を訪問・取材が予定されていたとのことで、もしかしたらテレビでご覧になった方もいるかもしれません。
市川さんに今後の目標を聞いたところ、「今年で弊社は創業65年、あと35年で創業100年となる。自社が”100年企業”の仲間入りができるよう、しっかりとした経営基盤をつくりあげていきたい!」と強く語られました。
岐阜の地で創業し、地域とともに成長を目指す企業のトップとして、今後の市川さんのさらなるチャレンジに期待いたします!
↓株式会社長良園の公式サイトはこちら!